【開設への想い】

代表取締役 道祖尾 綾乃

私は看護師になって24年です。その間に関わった様々な患者様や医療関係者が描いていた「こんな場所があったら皆んな助かるのに」との切実な想いを実現するために「ナーシングケアホーム結(ゆひ)」をこのたび開設いたしました。
在宅医療に従事して13年目、医療が必要とされる環境は変化し続けています。がんや難病、身体障害等の多様多疾患に悩まされている方々の支援を通じて在宅医療支援の限界に私たちは直面してきました。その限界突破のため、当ケアホームは「在宅療養生活を維持していくためのナーシングケアホーム」を提唱しています。自宅や当ホームで、患者様と家族がそれぞれに安心して過ごせるよう支援します。従来の介護施設や障害者施設とは違った枠組みでの運営となります。当施設を利用してもらうことで、医師や病院のみならず、地域のサポートグループとの橋渡しなど、柔軟な対応や新たなご要望に対応できる場所にもなります。 また、独居、老々介護、不要な救急車要請や入院問題にも対応することで、地域社会の包括システムに貢献することができると考えています。以下が、「結」の具体的な提唱と提供サービスの内容です。

「結」の提唱(その1)
【容態急変・状態観察に24時間対応】

急な症状の増悪、癌などの末期での24時間の観察や医療的な処置が必要とするなか、介護者が高齢で継続的な世話に限界がある場合や、家族自身の就労が継続できなくなるなど、現行の介護医療保険制度の枠のみでは安定した対応が困難となっています。
「結」は病院でも自宅でもないケアホームです。入床数10人以下の規模を基本として看護師が24時間常駐、訪問診療の医師や関係機関と密な連携をベースにケアします。

「結」の提唱(その2)
【介護者の休息の場】

老々介護や長期療養のため介護者の方が疲弊して介護や食事の世話等が困難となり、必要のない入院や施設入所となるケースが増えています。それは本人も希望しない療養に繋がってしまうことさえあります。
介護者に休息の時間と場を必要に応じて提供することで、家族の生活の質(旅行や用事)を維持することができます。

「結」の提唱(その3)
【在宅療養に向けた準備】

介護保険新規申請や介護支援が整っていない状態で退院する方が年々増えています。支援の連携や仕組みの不足が原因です。介護者となる方に対する医療手技の習得のための訓練が、帰宅当日から始まることも日常的です。不安定な状態で帰宅されることもしばしばで、限られた時間と回数での訪問看護ケアでは家族のご負担が大きくなります。「結」では準備期間中はリハビリや歯科とも連携し、帰宅後の生活を想定して支援します。必要に応じて入院前でも対応します。


当社の役割は看護・介護に加えて、医師、看護師、多職種が連携して患者の状況に即した療養を支援するシステム作りです。それを通してご自宅での生活を可能とするものです。「入院」か「施設入所」かという単純な選択からの脱却です。必要に応じて長期療養の場としても機能する場所となります。

 “「生き切る自由」を広げる役割を果たしたい。人生を絶望で諦めるのではなく日常を楽しむという希望をいつまでも持っていて欲しい”、そんな想いで設立したのが「ナーシングホーム結」です。在宅看護の限界点に私たちの機能が加わることで、柔軟な対応を実現させることが私たちの使命です。「結」は「糸=ネットワーク」と「吉=幸せ」を合わせた文字です。私たちが地域の一員となることで、少しでも皆様の幸せな生活が取り戻せることを願っています。

ナーシングホーム結
代表取締役
道祖尾綾乃(さいのお あやの)